東京都の飲食店補助金
とっくにはじまってて今更の感もありますが、東京都中小企業振興公社が行っている「業態転換支援事業」の募集要項を読んで、整理してみます。
どんなものか
東京都の補助金です。飲食店が新たに「テイクアウト」「宅配」「移動販売」を始めるなら、その初期経費などの5分の4(最大100万円)をくれるというものです。ということは125万円の経費で100万円もらえるということでしょう。
新たにテイクアウトなどを始める前に、あらかじめ申請して、よい返事がもらえたら(交付決定)実際にテイクアウトなどを始めて、原則3か月したら経費をとりまとめて報告します。審査を経てお金がもらえるといった流れです。
なのでこれからテイクアウトなどを始める人向けです。もうすでに始めてしまっていたら原則はもらえません。
テイクアウトはだいたいやっちゃってますかね。宅配はまだのところあるかもしれませんから、これから始めるならチェックです。移動販売を始めたい人はあまりいないかもしれませんがもしその気があればこちらもチェックです。そのほか、公社ホームぺージのよくあるご質問コーナーには、自店舗で製造したものを自社のサイトで販売する通信販売も対象になるとあります。
対象の経費
新たにテイクアウトなどを始めるためなら何でもいいわけではありません。こういう経費だけですよと。さらに経費の種類ごとの上限額(経費計上上限額)もあります。かいつまんで表にしてみました。
連番 | 費目 | 詳しく | 上限額 |
---|---|---|---|
1 | 印刷物制作費 | チラシ・ポスターの制作委託 | 30万円 |
2 | 広告掲載費 | 折り込みチラシ・新聞・雑誌・DM・WEB広告のデザイン・出稿 | 20万円 |
3 | PR映像制作費 | 動画の制作委託 | 20万円 |
4 | WEBサイト等制作委託費 | 既存サイトの変更・新規制作委託 | 50万円 |
5 | 看板等の制作費等 | のぼり・看板・POPの制作など | 20万円 |
6 | バイク・自動車 | デリバリーバイク等の借料(RC) | - |
7 | その他の車両 | 自転車・リアカー・台車の購入費・借料(RC) | 20万円 |
8 | 通信環境設備導入費など | Wi-Fiなどの導入費・借料(RC) | 10万円 |
9 | 通信料 | インターネット通信(RC) | ‐ |
10 | タブレット端末等購入など | タブレット端末・決済端末・レジプリンターなどの購入・借料(RC)、POSレジ改修 | 15万円 |
11 | 梱包・包装資材等 | 食器類・包み紙・手提げ袋・おてふき・ナイロン手袋・調理器具など(真空包装機・フライヤー・炊飯器・ラベルプリンタ) | 15万円 |
12 | 宅配代行サービス利用経費 | 初期登録料・月額使用料・配送手数料等(RC) | ‐ |
13 | 許可取得手数料 | 移動販売に係る営業等の許可取得 | ‐ |
14 | 店舗等内装工事 | テイクアウト用小窓・ショーウィンドーの設置、移動販売車の改造費など | 50万円 |
(RC)ランニングコストは最長3か月間
テイクアウトの場合
上の表だとさっぱりイメージわかないので、たとえば、新たにテイクアウトを始める場合はどうかなと考えてみます。
本格的にテイクアウトをするなら内装工事費で入口にテイクアウト用の小窓を設置。それから看板やのぼりを作って軒先でアピールします。お会計にタブレット型のレジを導入。お持ち帰り用の容器や袋などを用意。テイクアウト専用メニューのために調理器具が必要であれば購入。大きなところはそんなもんでしょうか。あとは自腹で。で、下の表のとおりです。
連番 | 詳しく | 上限額 |
---|---|---|
14 | テイクアウト小窓の設置 | 50万円 |
11 | 容器など/調理器具 | 15万円 |
5 | 看板・のぼり | 20万円 |
10 | タブレットレジ | 15万円 |
宅配の場合
次は新たに宅配(デリバリー)を始める場合です。宅配代行サービスの手数料が使えます。容器や調理器具はさっきと一緒。注文を見るためのタブレット端末も必要かもしれません。広告もしましょうか。そういえば先日美登利総本店さんの宅配チラシがポストに入ってました。おそらくポスティングですが、例示されていませんので自腹かもしれません。で、下の表のとおりです。
連番 | 詳しく | 上限額 |
---|---|---|
12 | 宅配代行サービス利用料 | 無制限 |
11 | 容器など/調理器具 | 15万円 |
10 | タブレット端末 | 15万円 |
1 | チラシ制作 | 30万円 |
宅配(自前)の場合
同じ宅配(デリバリー)でも自前で始める場合も考えてみましょう。バイクの購入代金は対象外です(リースなどは対象)。自転車なら購入代金は対象になります。自前でやるならWEBの注文システムが必要でしょう。もしくはメニューを配布して電話で受け付けますか。そうなるとほぼお蕎麦屋さんみたいですね。注文を見るためのタブレット端末も必要かもしれません。容器・広告は同じです。
連番 | 詳しく | 上限額 |
---|---|---|
6 | バイクのリース料 | 無制限 |
7 | 自転車の購入代金 | 20万円 |
4 | WEB注文システム | 50万円 |
10 | タブレット端末 | 15万円 |
11 | 容器など/調理器具 | 15万円 |
1 | チラシ | 30万円 |
移動販売の場合
さいごに移動販売を始める場合です。車両の購入代金は対象外ですがリースなどは対象です。車両の改造費は対象になります。のぼりなども必要そうです。容器や調理器具なども。許可申請の手数料も。
連番 | 詳しく | 上限額 |
---|---|---|
6 | 移動販売車のリース料 | 無制限 |
14 | 移動販売車に改造する | 50万円 |
5 | のぼり | 20万円 |
11 | 容器など/調理器具 | 15万円 |
13 | 営業許可申請手数料 | 無制限 |
まとめ
私個人的に補助金ってあんまり好きじゃないんです。でも今年は仕方ないですね。もしご自身の都合と合いそうだったらご検討ください。
2020月8月28日