まつきよ税理士事務所

資金調達と経営のかじ取り

トップページ > コラム > 資金調達と経営のかじ取り

資金調達と経営のかじ取り

資金調達の大きさや調達方法が経営にどんな影響を及ぼすのかを考えます。

資金の大きさ

資金が多いほど可能性が広がります。設備投資でいえば、より立地のよいところに出店できますし、より性能のよい機械を導入することもできます。運転資金でいえば、より大量に仕入れることができます。仮に同じ利益率とすると、より大量に仕入れ・販売をすることでより多くの利益を得ることができます。

反対に資金が少ないと、出店できる場所が限られますし、機械も中古で済ませないといけないかもしれません。仕入れも売れた都度せざるを得なかったり、高価格帯のものはあまり取扱いできないかもしれません。

ただし、多額の資金を得て経営するということは、うまく行かなかった際のリスクが大きいですし、経営の難易度が上がります。はじめて起業する方はスモールスタートのほうが向いているかなと私は思います。

自己資金の特徴

次に調達方法を見ていきます。まずは自己資金です。自己資金の場合、経営の自由度は高いです。当たり前ですよね、自分のお金だから自由に使っても誰も文句は言いません。ただ、自己資金はご自身の貯蓄を切り崩して出すわけですから、それだけでは足りなかったり、あんまり出したくないという方もいるようです。

借入金の特徴

次は借入金です。金融機関あるいはご家族・ご友人から借りるわけですが、借入金は、借りたそばから返済がスタートします。ですから、儲けて返済原資を生み出さなければ、事業資金はジリ貧になります。言い換えると、事業資金を借入金でまかなった場合は、かなり儲けないといけないということです。自分のポリシーに多少反してでもがっつり儲けなければいけないということですので、覚悟してください。

共同出資の特徴

共同経営者と出資しあう場合はどうでしょうか。この場合、資金的にはゆとりが出ますが、他人も出資しているということは、思いどおりに経営できなくなります。出資しているということは経営に口出しできるということですから、出資者が自分以外にいる場合はその人たちの意見も取り入れないといけません。

ちなみに、経営方針は出資者同士の多数決で決めます。1人1票ではなく持分(株数)に応じた議決権数となります。主導権を持つには過半数は持たないといけません。さらに強い力を持つには3分の2以上を持たないといけません。

2人で半分づつ出資して会社を起こそうという方いらっしゃいますが、半々だとどちらも過半数を持っていないので、意見が一致している時はよいのですが、意見が一致しなくなったらどうにもならなくなるおそれがあります。

3人で均分出資してという場合は、2人で3分の2以上を占めることができますので、3人のうちの2人の意見が一致すればほぼ掌握できてしまいます。意見不一致の1人は蚊帳の外に置かれたまま、なすすべなしになってしまうかもしれません。

まとめ

このように調達方法によって事業計画や経営権にちがいが生じますので、ご自身にあった方法で資金調達しましょう。


前のページに戻る