まつきよ税理士事務所

地主にとって土地とは何なのか

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地主にとって土地とは何なのか

今回は地主さん向けのコラムです。地主さんにとって、土地とはいったい何なのか、経済的な観点から考えてみたいと思います。

土地はカネを生む

土地は活用することによってカネを生み出します。具体的には、賃貸収入や事業収入を生み出します。もちろんうまく活用しなければなりませんが「持ってるだけでカネを生む」ものすごく魅力的なものなのです。

また、それがゆえに何年経っても擦り減らずに価値が下がりません(ただし物価に連動するらしいです)。永遠に輝き続ける金塊・ダイヤモンドのようなで、かつ輝くことでおカネを生む、そんな存在です。

譲るときには課税される

土地は魅力的なので、「家宝」として子々孫々まで受け継いでいきたいと思われる方が多いのではないかと思います。地主さんの祖先がそうしてくれたからこそ、地主さんは今地主なのです。

しかし、ここにひとつ問題があります。それは、人に譲るときは課税されるという問題です。地主さんが亡くなってご遺族が相続した場合は「相続税」、生前中に贈与した場合は「贈与税」、売買などにより譲渡した場合は「所得税と住民税」が課税されてしまうのです。そのほかに不動産取得税が課税される場合もあります。

いずれもその土地の価値に応じて納税額が計算されますから、価値の高い土地ほど納税額が多額になりがちです。そして、納税は原則として現金一括で納めなければなりません。

このことから、ひとつの真実が導き出されます。それは、土地を承継したいのなら、納税資金を現金で用意しておく必要がある、言い換えると貯金しとけよ、ということです。

納税資金の出所

では、納税資金(貯金)はどうやって貯めればよいのでしょうか。カネに色はありませんので、用意できればどうやって用意しようが関係ありません。ただ、その土地が生み出したカネの中から捻出するのが一般的でしょう。

ですので、たとえば賃貸収入を得ている場合には、その収入の一部を将来の納税資金として毎年貯金しないといけないということです。ろくに貯金もしないで生活水準を上げてしまったり、飲食や遊興に使ってしまったら、土地を承継することはできなくなると考えておいてちょうどいいくらいです。

じぶんの土地の上に建物を建ててお店などを経営して事業収入を得ている場合には、家賃の支払いがないわけですが、仮によその物件を借りるとした場合に支払う家賃くらいは貯金に回せないと納税資金の用意は十分ではないでしょう。

じぶんの土地の上に家を建てて住んでいる場合には、その土地から収入は得られないので、どこか他から納税資金を用意する必要があります。たとえば給与収入や(その土地と関係のない)事業収入の一部を貯金しておく必要があるということです。

二世帯住宅や賃貸物件の一部屋に地主さんのご子息が住んでるケースが散見されます。親に家賃を支払いなさいとは言いませんが、家賃に相当する金額を自身の給与収入から捻出して貯金しておくべきでしょう。

まとめ

家賃収入を得ていると、まとまった金額が毎月手に入りますから、つい気が大きくなりがちなのでしょうか。あんまり無駄遣いしないで貯めておいてください。もちろん、むやみに貯めればよいというわけでなく、うまく活用することや税金対策をすることも大切です。

うまく活用すること。うまくできてますか?土地の周辺環境やその土地に対する世間のニーズは時代とともに変わります。かといって頻繁に建て替えていては収益が上がりません。賃貸経営は長期的には難しいものです。そこを突いて的外れな・過度なリフォームや備え付け家具の購入を勧める業者、高齢の地主さんに対しては料金を上乗せしてくる業者もいます。最低限の経営ノウハウは身につけて、気をつけなければなりません。

2021月4月15日


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