まつきよ税理士事務所

事業と生活の併用

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事業と生活の併用

自宅兼事務所(自宅を仕事場としても使うこと)や自家用車を仕事にも使うことなど、ある物やサービスを事業と生活で併用するときのイメージについて述べたいと思います。

個人事業主と会社経営でちがう

個人事業主の場合はイメージしやすいかと思います。自家用車を仕事に半分・生活に半分使っていたら、自家用車の支出の半分を必要経費にする。そのまんまです。一方、会社経営の場合はちょっと複雑です。見ていきましょう。

個人事業主の場合

前述のとおり、個人事業主の場合はイメージしやすいかと思います。登場人物が個人事業主ひとりしか出てきません。取引主体はひとりです。それを生活だけに使ったら生活費、事業だけに使ったら必要経費、生活と事業の両方に使ったら使用割合でそれぞれ按分するといったイメージです。

会社経営の場合

会社経営の場合は登場人物が2人(以上)になります。経営者である個人(あなた)と会社です。会社は1人としてカウントします。つまり、会社は個人(あなた)とは別人物です。ですので、あなたの所有物を会社にも使わせてあげると、それはあなたと会社の間で貸し借りをしたことになります。

生活費の支出を会社の経費に取り込めないかといったご相談をよく受けますが、単純には取り込めません。上のイメージのように貸し借りをして使用料を支払えばその分は会社の経費になりますが、取引の相手方であるあなたにとってそれは収入になります。もしかしたら確定申告しないといけないかもしれません。

自宅兼事務所の貸し借り

自宅の一部分を仕事にも使う場合は、個人(あなた)が会社にその一部分を貸すことなるでしょう。コワーキングスペースをイメージするのか月極の賃貸事務所をイメージするのか、使用規約や料金設定・費用負担など、どんなルールで貸し借りするのかを決めて、そのとおりに運用するべきです。また、料金設定が世間からズレて高すぎると、それは本来あるべき使用料の金額に役員報酬の追加分をくっつけてるだけとも見えますからお手盛りはやめましょう。

また、前述しましたとおり、使用料をもらった個人(あなた)にとってそれは収入になります。収入金額がその貸し付けに対応する必要経費の金額を超える場合には利益(所得)が生じたことになります。必要経費の考え方は前述「個人事業主の場合」と同様です。支出のうち事業(貸し付け)に使用した分だけが必要経費になります。

自家用車の貸し借り

自家用車を仕事で使う場合も同様です。ずっと貸すならリース会社のようになりますが、あくまでも自家用車ですから、レンタカー店のように時間や日で会社が必要とするときだけ貸すことが多いかと思います。その場合の料金設定は、世間のレンタカー店を基準にして決めればよいでしょう。レンタル料金だけでなく、返却時ガソリン補充にするか、ぶつけたときに弁償するかどうかなども決めておくとよいかもしれません。

また、こちらも前述しましたとおり、使用料をもらった個人(あなた)にとってそれは収入になります。収入金額がその貸し付けに対応する必要経費の金額を超える場合には利益(所得)が生じたことになります。

まとめ

会社経営の場合は、事前にシチュエーションを決めて、そのとおりに運用しなければなりません。はじめによく検討してください。個人事業主の場合は、事前に準備が必要ないかもしれませんが、事業割合を計算するために、利用状況を記録しておきましょう。

2021月4月8日


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