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まつきよ税理士事務所

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フリーランス推奨の背景

働き方改革の一環かな

最近twitter上で「社員からフリーランスになって、引き続き仕事している」という話題を見かけました。そこで今回は社員とフリーランスについて見ていきたいと思います。

ウラがあるはず

「フリーランスになっても仕事続けてちょうだい、他所でも自由に仕事したり交流してどんどん活躍してちょうだい」と聞くと、自由な社風だなと思ってしまいます。働き方改革なんでしょうか。でも、いいことだけではありません。やっぱりウラがあります。

社員にかかるコスト

サラリーマンの方はお気づきでないかもしれませんが、社員を雇用すると給与以外にも莫大なコストがかかります。まずは社会保険料の会社負担分です。

社会保険料は健康保険・介護保険(40歳以上のみ)・厚生年金保険の各保険料でその総額は給与の約3割にも及びます。そのうち半額を会社が負担しなければなりません。ということは、もしこれだけだとしても総人件費は給与の15%増しということになります。

さらに、労働保険料や雇用保険料の会社負担分、子ども子育て拠出金も負担しなければなりません。いずれの金額も給与の総額に比例します。少しづつですが塵も積もればということでけっこうな負担です。

次に退職金です。実際の退職金算定方法は会社によって異なるかと思いますが、イメージとしては毎年の給与に上乗せした分を社内に積み立てるというかんじかと思いますので、これも大変な負担となります。

そのほか、社員の健康診断の受診料もそうですし、税金の分野でいうと年末調整の処理費用も会社負担です。年末調整は内製しても外部委託してもかなりの費用がかかります。その代わりに社員は確定申告をしなくて済むわけですから、ある意味社員の確定申告を代行しているとも言えるでしょう。

これだけコストを負担したうえでさらに福利厚生制度を設けていればその費用も会社が負担していますから、どれだけ大盤振舞いだよと思ってしまいます。

サラリーマンの方の中には、会社に中間マージンを随分抜かれてるから独立して直接受託したほうがよいとお考えの方がいらっしゃいますが、そうとも限りません。中間マージンを抜いてるのはそれなりに会社が負担をしているからとも言えるからです。

フリーランスになったら

では、フリーランスになった場合、上記のコストはどうなるでしょうか。社会保険料はもちろん全額自己負担です。退職金はありませんので、ご自身で積み立てるのであれば当然自腹で原資の拠出が必要となります。労災や休業補償をサラリーマン並みにキープしようとすればご自身で保険に加入しなければなりません。確定申告をしなければなりませんので、会計ソフトを購入費用や場合によっては税理士への依頼費用を負担しなければなりません。

しかも、フリーランスはサラリーマンに比して税金が高めです。社会保険料のうち国民年金保険料は少ない負担で済みますが、その代わりに給付も少ないです。サラリーマンは厚生年金が受給できますが、フリーランスは基礎年金のみです。年金保険料が少なくなってよかったなんてのはぬか喜びでしかありません。将来給付が少ないのにどうするの?ってかんじです。

フリーランス推奨の背景

ここまで見てきましたことを踏まえますと、会社としては社員がフリーランスになってくれれば人件費の負担が大幅に減ります。加えて労務法制の煩わしさからも解放されるため、現・元従業員からの訴訟リスクなども軽減することができます。雇われる側の権利意識が高まりその支援を生業にする者も出現したため、労務リスクは近年高まるばかりです。

つまり、会社としては、こうした負担やリスクが減ったうえで、その社員が今までどおり仕事をしてくれたら経営としては大成功なのです。

一方、社員からフリーランスになる方の立場からすると、諸々の負担が増えるわけですから、収入が大幅に増えない限り割に合いませんのでご注意ください。

さいごに、経営者の立場からすると、やみくもに社員を抱えるのではなく、特に黎明期は外注をうまく活用しながらという方がコスト・労務リスクの両面から望ましいと考えられるでしょう。


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